今まで基礎練習といえばほぼブル一辺倒だった筆者が、「次のステップへ進む」という名目でクリケットナンバー(トリプル)を狙う練習に切り替えてみました。
結論としては、1.5ヶ月でブル率がA中位からBBフラギリギリのレベルに、クリケットのMPRもBBすら怪しいレベルに落ち、一度リセットするべくダーツから離れるという決断を行う羽目になりました。
約10日ほどのブランクの後練習を再開、またブル中心の練習に戻すことにしたことを兼ねて、その過程についてまとめました。
あくまで一例として読んでいただけると幸いです。
最近のスキル(レーティング)の変動
何故かお試し有料会員になってたので見れた、ここ1年のレーティング推移表
2020年11月頃にレーティング12.85(ダーツライブ)を記録してからは右肩下がりで、最後にマシン相手にプレーした時点(4月上旬)では10後半を推移しています。
ちなみにクリケット中心の練習を始まる前の時点のレーティングは11台中間くらいでした。
具体的な練習内容
20ラウンド(60本)連続で同じクリケットナンバーを狙って投げる(これを1セットで20~15すべてのナンバーで実施)
もしかしたら誰かから一度は聞いたことのある練習方法かもしれません。
要は、スタンダードクリケット(1人プレイ)で同じナンバーを投げ続けるというシンプルな練習です。
だいたいこの練習をする(Aフライトくらいの)人は、スコア1000点(キャッチ除く)を目標にプレイする人が多いと思います。
ちなみに、同じナンバーを投げ続けて1000点に到達するために最低限必要なマーク数は……
- 20:53マーク(1000点、MPR2.65)
- 19:56マーク(1007点、MPR2.80)
- 18:59マーク(1008点、MPR2.95)
- 17:62マーク(1003点、MPR3.10)
- 16:66マーク(1008点、MPR3.30)
- 15:70マーク(1005点、MPR3.50)
- BULL(参考):43マーク(1000点、MPR2.15)
となっており、数字が小さければ小さいほど難易度が上がります。
変えようと思ったきっかけ
- そろそろクリケットナンバーの練習もしようかなと思っていた
- なにか現状打破のきっかけがほしかった
- 「ブルだけとかいうプロもいるけど大方のプロや上級者は当然クリケットの練習も多くやってる」という情報をダーツバー(厳密にはダーツバーでない)で聞いた
最終的に「変えてみよう」と決断するきっかけは3.ですが、そこを強調すると「教えてもらった人のせいでメチャクチャになった」と言ってるように聞こえかねないので、一応そうではないということだけはお見知りおきを……^^;
ちなみに、練習内容を変える前のブルとその他(ナンバー)の練習量の比は……だいたい9:1……いや、それ以上(19:1くらい?)でした。
ゼロワンで上がるための練習(ダブル狙いなど)などはほぼしてないですし(=ぶっつけ本番に近い)、クリケットナンバーに関しても対人戦の前にちょろっと確かめる程度に投げる……という具合でした。
そんなプレイヤーが突然ブルとその他(ナンバー)の練習量の比を2:8くらいに変えたわけです。これは客観的に観ても大胆に感じますね。
練習を変えてからの変化
DARTSLIVE-ZERO BOARD
練習は主に自宅(DARTSLIVE-ZERO BOARD)で行い、結果は逐一Excelに記録していきました。
ここからが地獄のはじまりです^^;
(当初の)目標
- 各ナンバー20ラウンドでMPR4.00(当然キャッチなしで)
- トリプルヒット率30%(10本に3本、現状20%前後)
- その日の20~15+BULLの各ベストスコアの合計点数9000点(平均MPR4.00、BULLのMPR2.00くらいで達成可能)
「最終的に↑くらいのリザルトが出せるようになるまでやろう」
と現状よりも一段階上のプレイヤーが達成できそうなところを目標におきました。
ブル率の低下
ブル練習をした結果をまとめたExcelデータ。PPRが80を切ってる日がほとんどで、ひどいときは70を切りかけている日も……
まず顕著に出たのがブル率の低下です。
カウントアップ10回分(≒80ラウンド)ほど投げると、いいときでブル率50%くらい出ていたのですが(PPRは90前後)、日を追うごとに着実に悪化していきました。
ゼロワンゲームAフライトの最低水準はPPR80.00(ダーツライブ)ですが、カウントアップ10回の平均PPRが80を切るようになるのが当たり前になり、ひどいときは70を切りそうな日もありました(≒BBギリギリ……)。
そして50ブル打つまでにブル率が30%を下回った日が出た(ワンブル平均ですらなくなった…)のを気に一旦ダーツから離れるに至りました^^;
MPRの低下
クリケットの結果を記録したExcelデータ。最初こそ3点台中間から後半のMPRを記録していたが、徐々に2点台が増え始め……
「まぁブル率が落ちたとしてもクリケットが上達したのなら……」というフォローをお考えのアナタ。
残念ながら、クリケットも日に日に悪化していきました^^;
始めた当初こそすべてのナンバーのベストMPRが3.00を超すのはそれほど不思議ではなかったのですが、徐々に3.00に届く機会が減り……
ひどいときはMPR2.00すら届かないような日まで出るようになる始末……。
やる気の低下
「時間の許す限り、最低限の点数(1000点)が出るまでは何回でもチャレンジしても良い」
というルールで始めたのですが、は通過点だったはずの「1000点」が夢物語レベルまで遠のくようになり、ついにやる気が失せます^^;
練習を始める瞬間はそこそこやるつもりでいるのですが、数ラウンド投げ、MPR1点台という数字がパソコン上に表示されているのが視界に入ると一気にやる気が失せ、今思うとかなり適当にやっていたように思えます。
そのため、日に日にスコアが悪くなっていくのはある意味当然だったかもしれません。
そして……
マイダーツケース(CAMEO ダーツケース、L-style)
マイダーツをダーツケースにしまい、棚にしまいました^^;
それから10日ほどの月日が経ち、またダーツを握ったのが記事投稿(2021/4/27)の前日です。再びブル中心で投げています。
考えられる原因
「不貞腐れてただけでした」なら簡単なのですが、そうでもなさそうなのでかえってスキルが低下した考えられる原因について挙げてみました。
1ターゲットだけ投げていたときに身についていた「型」が崩れた
SIGHT RIGHTに関する記事で紹介してる動画(↑)の、WINMAU関係者の話が一番参考になると思うのですが、要約すると……
ターゲットと体(≒目)の位置関係を1つのターゲットで掴んだら、他のターゲットに投げるときは体幹ごと向きを変えるだけで解決する(同じ位置関係を保てる)
というような話です。
自分がひたすらブル中心で練習していた時は、「ブルを狙う型」というのがそれなりに出来ていて、その型を基本としたナンバー狙いができていたと仮定すると……
6箇所あるクリケットナンバーを投げるという練習をしたことで基本の型が崩れ、各ナンバー固有の型が生じてしまい、結果的にどのナンバー・ブルを狙っても命中率が下がってしまった
というのが今考えられる一番の理由と思っています。
グリップ、ユーミング、テイクバックなどを試行錯誤していたのが完全に悪い方向にブレた
何年か前に撮影したグリップ、基本的には今もここからそれほど変わっていない
練習メニューを変える前から、特にテイクバックに問題を抱えており、そこを改善するためにいろいろと改造をしていました。
何が問題かというと、外(マシン相手)に投げるときはマスク着用が必要な昨今ですが、テイクバックするとマスクに引っかかって矢先がブレるという……
ひどいときはマスクにダーツがひっかかって、スローイングしたのにマスクとフライトの先端がくっつくという珍現象まで起こる始末^^;
それを防ぐためにいろいろとやってはいたのですが、結局それも影響を及ぼしたのかなと…… (※当然家で投げるときはマスクは付けてません)
ダーツ以外の要因が(特にメンタルに)悪影響を及ぼした
- バイオリズムの低迷期(?)
- ビジネスの行き詰まり感
- 新型コロナウイルス禍における外出自粛の風潮
特に2.は今一番精神的に悪影響を及ぼしてる感が……(2020年の売上の約3割を担っていた事業がポシャった)
さいごに
ここまで読んでくださっている読者がいるのかと思いつつ書いていますが……^^;
私個人の実体験から得た経験則として……
- 基礎練習は、どこか1点をひたすら狙って投げるのが無難かつ理にかなったスキル向上に繋がる可能性が高い(どこか1点=BULLが無難)
- クリケットナンバーを狙う練習をする場合、それ一辺倒にならないように気をつける
- (数値的な)目標は現状でも到達可能な範囲内で設定し、達成するたびに少しずつ上げていく
どの記事かは忘れたのですが、「練習はBULLしかやってないけど、クリケット案外入るからBULLだけでもいいのかも」的なことを書いた記憶があります(しかも一番レーティング良かった頃の話)。アレは割と(自分にとっては)真理だったのかなぁと……
なお、人によっては「BULL投げずにクリケばっかやってたらBULL率上がった」という方もいらっしゃるかもしれませんので、本記事の内容が誰しもに当てはまるわけではないことにご留意ください。
グリップの仕方すら多種多様なダーツにおいて、「絶対的に正しい上達のための練習内容」は存在せず、やはり一人ひとり理想的な練習方法は違うと思います。
余談:クリケットナンバーを狙う練習を基礎練習に取り入れてトッププロになったプロ
練習方法を聞かれても多くのプロは「ブル、とにかくブル」という方が多いと私は感じますが、そこに異を唱えた(?)感のあるプロが山田勇樹プロでした。
【ダーツ】山田勇樹をトッププロにのし上げた練習方法を大公開!【超真面目企画】(0:50~)
ざっくりまとめると……
- カウントアップを使用
- まずBULLで1000点以上を出す
- 次にクリケットナンバーごとに(15から順に)目標点を出すまで投げる ※「目標点」は動画を参照、要求レベルはかなり高い模様
- 最終ラウンドでBETを出したら目標点未達でもクリアの特別ルールあり
- 15~20まで目標点をクリアしたら、最後にBULLで1000点以上を出して終了 (それから他の練習へ移る)
というのを数年間毎日されていたそうです。かなりヘビーです。自分は最初の「1000点」でGAME OVERです^^;
今改めて軽く見直しましたが、山田プロレベルでもターゲットナンバーの2つ隣のナンバーにヒットすることもあるんだなぁと……(試合じゃない時の集中度だったら起こりうるものなんですね)
っていうのを観ると、自分にあまり厳しいノルマとか失敗(投げ損ね)に対する叱責とかはしないほうが身のためのような気がしてきました^^;