プルとキックを別種目同士で組み合わせて泳ぐ…
水泳部現役時代に、たま~にですがメニューに取り込まれていたタイトルのメニュー。
実際やってみると思ったように体が動かず、あまりやりたくなかったメニューでもありました。
引退してから10年以上経過した今、久しぶりにやってみたのですが、「うわこれ面白いな」と感じました。
しかもやってみた限りだと、各種目においてメリットがかなりありそうなので(だからこそメニューに組み込まれていたんだろうけど…)、是非多くの方にやってほしいと思い紹介します。
概要
例えば、プルはバタフライでキックは平泳ぎ…みたいな組み合わせで泳ぎます。
水泳部時代、メニューに何らかの文字列が書かれてあったので、このような練習内容が用語として存在すると思うのですが、忘れてしまいました。^^;
さきほど軽くネットで検索をかけてみたのですが、残念ながら見当たらず…(セパレート水着が出てきただけというオチ^^;)もしかしたら名称はないのか?
誰かご存知の方いましたらコメント欄に記入お願いします…
おすすめ構成例
プル (手のかき) |
キック | |
---|---|---|
おすすめ | マニアック | |
バタフライ | バタ足 | 平泳ぎ |
背泳ぎ | 平泳ぎ(仰向け) | ドルフィンキック |
平泳ぎ | ドルフィンキック | バタ足 |
クロール | ドルフィンキック | 平泳ぎ |
そもそもキックの種類って3種類(ドルフィン、バタ足、平泳ぎ)しかないので、それほどたくさんのパターンがあるわけじゃないことにこの表を作成中に気づきました(笑)
メニュー例
- 100m×◯本、Pull:IM
- 50m×◯本、Pull:Bu, Kick:Fr
→プルだけ個人メドレーの順番で、キックは本来のキック以外の泳法で泳ぐ練習です。
ある程度体力に自信がある場合なら、これがオススメですが、スタイルワンを集中して取り組みたいという方は下のメニューのほうがいいかもしれません。
→ある1つのパターンを複数回繰り返して泳ぐ練習メニューです(上の書き方だと、プルはバタフライ、キックはバタ足)。そういえば練習メニューはこういうふうに書いてたような…
各構成ごとでどんなメリットがあるか?
実際にやってみて「これはいいね」と思った構成について、その理由(目的)とメリットを説明します。
プル:バタフライ、キック:バタ足(クロール)
正式な泳法のバタフライは上下運動が激しいため、疲れてくるほどブレスの際に上半身が地面に対して垂直に立ってしまいます。
その結果抵抗が増して、泳法としても汚くなっていくため、フォームとしてはよろしくない状態で泳ぐことになります。
ただ決めた距離を泳ぐだけの練習になり、タイムの向上になるかどうかは疑問です。
一方、キックをバタ足に代えて泳ぐと、全身が水面近くに浮きやすくなります。
これによりプルが回しやすくなるのと、ブレスがしやすくなるメリットがあります。
ブレスがしやすい≒抵抗が少ないため、正式なバタフライよりも泳ぎやすいし、疲労感も正式なものと比べると弱めです。
正式な泳法としてのバタフライがキツいと感じる方の一歩前の練習として、結構いいかもと思いました。
プル:背泳ぎ、キック:平泳ぎ(仰向け版)
キックを平泳ぎに代えることで、プルのピッチをあげる練習ができます。
というのも、普通のバタ足だとプルのピッチはどうにもできるため、ハイピッチで泳ぐのがうまくできなかったのですが、プル1回につきキック1回と決めて泳ぐと、いつもよりプルのテンポを速くすることができるという現象に(僕は)遭遇しました。
これはプル側、キック側両方とも言えることで、平泳ぎのキックのサイクルを速くしたいにとっても同様の効果を得ることができると考えます。
要は、背泳ぎのプルのリズムを早くしたい、平泳ぎのキックのリズムを早くしたい…という2タイプにオススメの練習といえそうです。
僕は背泳ぎのプル、平泳ぎのキック両方ともピッチが遅いので、ちょうどいい練習になりました。
プル:平泳ぎ、キック:ドルフィンキック
これは僕がバタフライ専門だからかもしれませんが…
キックをドルフィンキック(≒実質「あおり足?」)にすることで、プルのあとの動作(両手を前に出す動作)において、両腕が沈まない理想的なフォームで泳ぎやすくなる(上半身を水中に戻した時に全身が沈みにくくなる)というメリットがあります。
単に平泳ぎに慣れてないからかもしれないのですが、僕は普通の平泳ぎだとキックの際に両腕が沈んでしまい、頭がモロに抵抗になってしまっていました。
それがキックをドルフィンに代えることでなくなり、理想的なプルの動きを意識して泳ぎやすくなったため、プルの練習としてはこれ以上ないドリルメニューになりそうだと感じました。
プル:クロール、キック:ドルフィンキック
キックをドルフィンキックにしてクロールを泳ぐと、バタ足よりも推進方向がより直線的になるという特徴が起きるため、プルを真っ直ぐ(推進方向の逆へ平行)にかく練習を行うには最適な環境ができるメリットがあります。
プルが真っ直ぐかけないと、推進力が一切生まれてない感じが分かると思います。そのため、「あっ、真っ直ぐかけてないな」というのがバタ足よりもつかみやすいです。
たまに練習することで変なクセがついていたものが直るかもしれません。
さいごに
このような変則的なメニューをやる際に気をつけたいことは、「なぜそれをやるのか?」という明確な目的と意図をしっかり汲んだ上で泳ぐことです。
何も考えずに泳ぐくらいなら、ただ単に長い距離を泳いでいたほうがマシです。
学生時代の自分は何も考えず、ただ言われたメニューをこなしていただけだったので、正直今回のような練習をやる意味を全く理解せずやってました(結果チームメイトと比較して伸びなかったわけですが…)。
水泳に限らず、スポーツって闇雲に体動かせばいいってもんじゃない、頭で考えるのが重要だなとつくづく思わされます。