「花札(こいこい)」をとあるきっかけで始め、一時的にどっぷりハマったので、記念に花札の勝率を上げるために一応調べた確率的事象をまとめました。
【重要度:★☆☆】手四が生じる確率
菖蒲で手四
0.432%(有効数字3桁、およそ232回に1回)
手四が生じる確率 算出方法
まず、手札の総組み合わせ数は48C8なので、377,348,994通り(3億7734万8994)。
同一季節の札(手四対象の札)4枚を「o」、その他の季節の札44枚を「x」とすると、手四の手札は「ooooxxxx」と表現できる。
このとき、「xxxx」の組み合わせは44C4なので135,751通り。
一方「oooo」は12通り(1月から12月までの12通り)なので、「ooooxxxx」の組み合わせは12×135751=1,629,012通りとなる。
よって、手四が生じる確率は(手四になっている手札の組み合わせ数)/(手札の総組み合わせ数)=1629012/377348994=0.004317…≒0.432%
【重要度:★☆☆】くっつきが生じる確率
0.170%(有効数字3桁、およそ588回に1回)
くっつきが生じる確率 算出方法
各月ごとに4枚の札があるため、そのうちの2枚を抜き取る組み合わせ数は4C2なので6通り。
よって、ある4つの季節札の組み合わせ(例:1月、2月、3月、4月)でできるくっつきの組み合わせ数は6^4となるため、1296通りになる。
そして「くっつき」が生じた際の季節札のパターン(例:1月、2月、3月、4月)の総組み合わせ数は12C4なので495通り。
よって、くっつきになっている手札の組み合わせの総数は1296×495なので641,520通りになる。
故に、くっつきが生じる確率は(手四になっている手札の組み合わせ数)/(手札の総組み合わせ数)=641520/377348994=0.001700…≒0.170%
【重要度:☆☆☆】手札に光札5枚が全部入っている確率
0.0032704%(有効数字3桁、およそ30577回に1回)
⇒3万回に1回程度の頻度で起こるので、毎日遊んでたら年に1回くらいは実現しても不思議ではない。
【重要度:☆☆☆】手札が全部たん札の確率
0.0000119%(有効数字3桁、およそ8,385,533回に1回)
⇒手四やくっつきを遥かに凌駕する圧倒的低確率につき、起こらないものと思っておいたほうが良い。
これも別に知っておく必要はない。
自分の手札がすべてたん札でない時に、相手の手札が全部たん札の確率
0.0000920%(有効数字3桁、およそ1,086,744回に1回)
⇒条件を良くしたところで、やっぱりオールたん札の手札はほぼ起こらない。
手札が全部「たね札」の確率
0.00000239%(有効数字3桁、41,927,666回に1回)
⇒オールたん札のさらに5分の1しか生じない。
【重要度:★☆☆】手札に「特定の札セット」3枚が入っている確率
猪鹿蝶
0.324%(有効数字3桁、およそ309回に1回)
- 赤短3枚セット(松に赤短、梅に赤短、桜に赤短)
- 青短3枚セット(牡丹に青短、菊に青短、紅葉に青短)
- 猪鹿蝶セット(萩に猪、牡丹に蝶、紅葉に鹿)
- のみセット(桜に幕、芒に月、菊に盃)
など、それぞれのセット単体が手札に含まれる確率が0.324%。希望するセットの数だけ実現する確率はほぼ倍々で上がっていく。
【重要度:★★★】手札が配られた直後に相手が「特定の月の札のいずれか」を持っている確率
自分自身の手札か場札に「特定の月の札」が確認できる枚数ごとの確率は以下の通り:
確認できる枚数 | 残り | 相手の手札 | ||
---|---|---|---|---|
場札 | 手札 | 0枚 | 1枚以上 | |
0 | 0 | 4 | 29.5% | 70.5%※ |
0 | 1 | 3 | 40.8% | 59.2% |
1 | 0 | |||
0 | 2 | 2 | 55.6% | 44.4% |
1 | 1 | |||
2 | 0 | |||
0 | 3 | 1 | 75.0% | 25.0% |
1 | 2 | |||
2 | 1 | |||
3 | 0 |
※手四を除くと70.3%
⇒(自分が確認できる札の枚数)0枚から順に、7割・6割・9分の4・4分の1と覚えておくと便利。
例えば自分が手札に「桐に鳳凰」持っていて、場に「桐のかす」が1枚もない場合、相手が「桐のかす」を1枚以上持っている確率は59.2%となる。
また余談として、自分が特定の季節札を手札に2枚持っている時、相手も同じ季節札を2枚持っている確率は5.65%ある。
【重要度:★★★】手札が配られた直後に相手が「特定の札」を持っている確率
25.0%
⇒例えば自分の手札にも場札にも「菊に盃」がない場合、相手が「菊に盃」を持っている確率は25%ということになる。
興味深い(勘違いしそうな)のは、たとえ自分が「菊に盃」以外の菊の札を3枚持っていたとしても、相手が「菊に盃」を持っている確率は25%という点で変わらないという点。
「自分が菊を一杯持ってるのに相手が盃を持ってた(のはツイてない)」という発想は正しくないということになる(自分が菊を1枚も持ってなかったとしても相手が菊に盃を持っている確率は25%だから)。
【重要度:★☆☆】順目ごとで相手が「特定の札」を持っている確率
互いが手札を出し合って山札が少なくなっていくにつれて、相手が「特定の札(例:菊に盃)」を持っている確率はどうなるのかを下の表にまとめた:
順目 | のこり※ | 相手の手札組み合わせ | 確率 | ||
---|---|---|---|---|---|
全部 | 持ってない | 持ってる | |||
0 | 32 | 10,518,300 | 2,629,575 | 788,725 | 25.0% |
1 | 29 | 1,560,780 | 1,184,040 | 376,740 | 24.1% |
2 | 26 | 230,230 | 177,100 | 53,130 | 23.1% |
3 | 23 | 33,649 | 26,334 | 7,315 | 21.7% |
4 | 20 | 4,845 | 3,876 | 969 | 20.0% |
5 | 17 | 680 | 560 | 120 | 17.6% |
6 | 14 | 91 | 78 | 13 | 14.3% |
7 | 11 | 11 | 10 | 1 | 9.09% |
※相手の手札と山札の総数
⇒結果によると、「確率上」は順目を経るにつれて相手が特定の札を持っている確率は下がっていくことがわかる。
この結果から、「相手が持ってるかもしれない場にない季節札」を出そうとする場合は、できるだけ終盤のほうに出すほうが良いということになる。
具体的には、自分が「菊に盃」を持っておらず場札にも確認できない時、「菊のかす」は序盤で出す(捨てる)より終盤に出したほうが良いということが定量的に見て最適ということが伺える(論理的に考えても序盤で菊を捨てるプレイは尋常ではないことはすぐに分かるが)。
ただ、「論理的に」考えた場合、相手が「特定の札」を持っているかどうかが限りなく100%か0%に判断できることもあるため、単に確率に基づいて終盤まで引っ張る戦略が絶対ではないことに注意したい(例:スタート時点で「菊に青短」が場に落ちてるのに、初手、2手目あたりで相手が「菊に青短」を取ろうとしないのであれば、相手が「菊に盃」を持っている確率は限りなく低いと言える。ただし菊3枚持ってる可能性も一応ある点は注意。)。
【重要度:★★☆】山札から特定の札が出る確率
特定の順目ごとに、自分が欲しいと思う札(例:桜に幕)が山札からタイミング良くポロッと出る確率は以下の通り:
表:自分が先攻の場合
順目 | 残りの枚数 | 山から出る確率 | 実は相手が 持ってる確率 |
|
---|---|---|---|---|
山札 | 相手の 手札 |
|||
1 | 24 | 8 | 3.13% | 25.0% |
2 | 22 | 7 | 3.45% | 24.1% |
3 | 20 | 6 | 3.85% | 23.1% |
4 | 18 | 5 | 4.35% | 21.7% |
5 | 16 | 4 | 5.00% | 20.0% |
6 | 14 | 3 | 5.88% | 17.6% |
7 | 12 | 2 | 7.14% | 14.3% |
8 | 10 | 1 | 9.09% | 9.09% |
表:自分が後攻の場合
順目 | 残りの枚数 | 山から出る確率 | 実は相手が 持ってる確率 |
|
---|---|---|---|---|
山札 | 相手の 手札 |
|||
1 | 23 | 7 | 3.33% | 23.3% |
2 | 21 | 6 | 3.70% | 22.2% |
3 | 19 | 5 | 4.17% | 20.8% |
4 | 17 | 4 | 4.76% | 19.0% |
5 | 15 | 3 | 5.56% | 16.7% |
6 | 13 | 2 | 6.67% | 13.3% |
7 | 11 | 1 | 8.33% | 8.33% |
8 | 9 | 0 | 11.1% | 0% |
後半になればなるほど一発で引き当てる確率は上がる。勝つか負けるかというレベルの勝負を決めかねない札を出す際は、最終盤まで持っておいたほうが確率上良いということが考察できる。
ただ当然すぎる話ではあるが、途中で「特定の札」が出てしまった場合、確率は終盤につれて上がるどころか0%に確定する点は理解しておかなければならない。
例えば自分が「桜のかす」を持っていて、場に「桜に幕」が一向に登場しない場合、どこかのタイミングで桜を出すなら終盤のほうが良いということになる。無論相手の手番の時に山札から出てきたら次の手番で取りにいくのがベストではある。
自分が「桜のかす」を出したと同時に「桜に幕」が山札から出てくる一本釣りを狙う場合は、最終盤のほうが良いといえる(それをしないといけないくらいハイリスク・ハイリターンな局面は限定的ではある)。
【考察】「初手に『菊のかす』で場にある『菊のかす』を取るか問題」の定量的側面と対応について
手札に「菊のかす」が着たが「菊に盃」はない。
場に「菊のかす」がある…
この事象は毎日遊んでいたら1日1回は生じるが、まず確率的な側面で考察すると…
- 相手が「菊に盃」を持っている確率は25%、「菊に青短」を持っている確率も25%
- 相手が「菊に盃」か「菊に青短」のどちらかを持っている確率は44.4%
- 初手(先攻)であえて菊を取らなかった時、山札から「菊に盃」が出てくる(=菊に盃を取札にできる)確率は3.13%
- 先攻で菊を取らなかったとき、後攻の相手が次の手番で「菊に盃」を取札にできる確率は22.6%以下。
となる(いずれも有効数字3桁)。22.6%「以下」としたのは、相手が「菊に青短」で「菊のかす」を取った際に山から「菊に盃」が出てくるという残念パターンを考慮してないためで、それを無視すると22.6%となる。
これらの確率を基に「じゃあどうするのが最適か?」を考える必要があるが、互いの得点状況やゲームの進行状況によって最適な選択は変動すると思われる。正確な最適解については花札GTOソフトの完成を待ちたい(笑)。国内カジノ(IRに伴う)で花札コーナーが設けられたら誰か作ってくれるかもしれない…
「どうしても逆転するためには菊に盃を取札にする必要がある」場合、低確率の道ではあるがあえて初手で菊を取らない選択をしたほうが良いと思われる。手札に「菊のかす」がなくなると、中盤以降「菊に盃」が山札から登場したところでそれを自力で取ることができなくなるため、結果的に相手に「菊に盃」を渡すチャンスが増えると考えられる。
そもそも後攻の相手が「菊に盃」を持っていたらその時点でほぼ終わりだし(初手で取られるか最後まで出さない選択ができるため)、相手が「菊に青短」だけを持っているのであればそれで「菊のかす」を初手で取る確率が高い。そうなれば山に残っていると思われる「菊に盃」は、出次第自分が取札にできる。無論、先攻が初手で「菊のかす」を取らなかったという情報を相手が重要視して、「菊に青短」を持っているにもかかわらず菊のかすを取りに行かないという手練れなプレイをされる可能性はある。
逆に「リードしていて相手に逆転される確率を下げるプレイをしたい」場合、初手で「菊のかす」を取るプレイは最善だと思われる。相手が「菊に盃」を持っているのであれば、山から「菊に青短」が登場するまでは取札にすることができないため。
テレビのクイズ番組でよくある、最終問題ですべてを無にする得点がゲットできるアレに近い逆転要素(のみ:実質20文)
「菊に盃」は取札にされるだけで5文(一杯系)もしくは20文(のみ)獲得できるチャンスが生じさせてしまうので、なんとしてもコレは防ぎたい。
さいごに
花札(こいこい)は国内のマイナーゲームですが、かつてものすごい流行したという原因がやれば痛いほどに分かるくらい面白いゲームだと思います(純粋にギャンブルそのものが楽しいという理由もあるのかもしれないが)。
昔は賭場で云々って話だとは思いますが、今は無料アプリで気軽に遊ぶことができるので気軽に遊んでみて欲しいと思います。
謝辞
記事作成にあたり、フリーイラストサイトから花札の画像を利用させていただいています。御礼申し上げます。
【考察】各札の重要度(価値)ランキング(おまけ)
念のため書いておきますが、ここでいう「価値」というのは希少性という意味ではなく、勝利(勝ちやすさ)への貢献度という意味での価値です。
長いプレイしていくうちに概ね下記ランキングと同等の価値観を覚えるかと思いますが、たくさんプレイする前に知っておいて損はないと思うのでまとめました。
前提条件
筆者は「えとはなっ!干支っ娘花札バトル」というアプリ(以下えとはな)で初めて花札をプレイしたので、それぞれの出来役の文数(点数)はえとはなでのルールが一般と思っていましたが、どうやら場所(アプリ)によってそれぞれの役の文数が違う…かもしれないということに気づいたので、以下のルールでプレイすることを前提として話を進めます:
- くっつき、手四は6文
- 花見で一杯(花見酒)、月見で一杯(月見酒)は5文(「のみ」は10文)
- 三光は5文、雨四光は7文、四光は8文、五光は10文
- 猪鹿蝶は6文
- 赤短、青短は6文(「ぶっく」は12文)
- 7文以上で得点2倍
PCでも遊べます(DMM GAMES経由)
48枚総合ベスト5
多くの局面において取っておけば得な札をランキング形式でまとめた。「札の価値」は最高を10とした際の10段階評価で定量化した(基本0.5刻み、一部0.1刻み)。
気をつけないといけないこととして、「価値が高い札を優先して取っておけばいい」というわけではない点に注意。
最速で1文を取れば勝ちという局面なら、三光や一杯も狙えない状態で光札を取りに行くより、かす札を取りに行ったほうがいいことだって起こりうるのは、戦略ゲームの醍醐味といえる。
第1位:菊に盃(たね札)
札の価値:10/10
- たった2枚で5文取得できる「花見で一杯」「月見で一杯」の構成札
- あと2枚で実質20文の「のみ」ができる
- 「たね」の構成札
⇒花札(こいこい)のゲームバランスに多大な影響を及ぼす「一杯」系の役を構成するキー札。山札との兼ね合い次第では1ターンで5文ゲットの可能性もある。
序盤で盃が取れる局面なら、基本100%取りに行けば間違いないというくらい重要で価値が高い。
手札に盃と桜or芒(光札でなくても良い)があるだけで高確率で5文が狙える。と同時に相手に一杯系を構成できなくするという意味でも高い価値を誇る。
町中で咲いてる菊にすぐ気づいたり過剰反応していたら、その人は花札が趣味かもしれない。それくらい「菊」そのものに対するイメージが一変する、花札(こいこい)上では重要な札である。
第2位:桜に幕(光札)
札の価値:9.5/10
- たった2枚で5文取得できる「花見で一杯」の構成札
- あと2枚で「三光」になる(構成に必要な光札は残り3枚ある)
- 「赤短」に必要な「桜に赤短」が取れる
⇒菊に盃と甲乙つけがたい重要札。三光+花見で一杯の複合役でサラッと10文(20文)ゲットできるキー札。
やや難しいが赤短+花見で一杯(11文→22文)というパターンも期待できるし、花見+月見の「のみ(10文→20文)」も十分ありうる。
コッチが1位という意見もあるかと思うが、とにかく盃さえ持ってれば5文ゲットリーチ(しかも対象札が2枚)というのが大きすぎるという判断で桜に幕を2位とした。
第3位:芒に月(光札)
札の価値:9.4/10
- たった2枚で5文取得できる「月見で一杯」の構成札
- あと2枚で「三光」になる(構成に必要な光札は残り3枚ある)
⇒札そのものの価値としては2位の桜に幕と同じレベル。
だが、同月の札構成の都合上「赤短」「たん」を構成する札(桜に赤短)が取れる桜に対し、芒が取れるのはただのたね札(orかす)という点において、芒の価値は桜よりわずかながら下と考える。
第4位:菊に青短(たん札)
札の価値:9.0/10
- 3枚で6文取得できる「青短」の構成札
- 「月見で一杯」「花見で一杯」が狙える「菊に盃」が取れる
- 「たん」の構成札
⇒それ自身で「青短」が狙えることに加え、最強の札「菊に盃」を取ることができるという意味で価値の高いたん札。
青短が完成したら高確率で「たん」も完成するので、合わせて7文→14文という点でも強力。
余談だが、「菊に盃」を取ることができるという理由で、菊のかす札はかすの中では最高ランクとなる。
第4位(タイ):桜に赤短(たん札)
札の価値:9.0/10
- 6文取得できる「赤短」の構成札
- 「三光」や「花見で一杯」が狙える「桜に幕」が取れる
- 「たん」の構成札
⇒「赤短」が狙え、そして光札史上最重要札の「桜に幕」を取ることができるという点で、赤短札の中では最重要&「菊に青短」と同等の価値があると考える。
光札(5枚)
ざっくり示すと 桜=芒>松=桐>柳 と言われがちだが、もう少し詳細に価値に強弱をつけた。
第1位:桜に幕(3月)
札の価値:9.5/10
下位に対する優位性:
- 三光に加え一杯系が狙える
- 「赤短」を狙える「桜に赤短」を取ることができる
第2位:芒に月(8月)
札の価値:9.4/10
下位に対する優位性:
- 三光に加え一杯系が狙える
第3位:松に鶴(1月)
札の価値:8.5/10
下位に対する優位性:
- 三光に加え、「赤短」が狙える「松に赤短」を取ることができる
第4位:桐に鳳凰(12月)
札の価値:8/10
下位に対する優位性:
- 三光が狙える
⇒札そのものとしては松と同等だが、たん札(しかも赤短の構成札)を取れる可能性がある松に対して僅かながら価値が落ちる。
第5位:柳に小野道風(11月)
⇒「柳に小野道風」は、光札であるにも関わらず三光の構成札対象外で、柳を含む光札4枚構成だと「四光(8文)」でなく「雨四光(7文)」扱いと不遇な札として扱われている。
山から取れる札が無い時、光札なのに他の札(かすを含む)を差し置いて先に山札に捨てることも戦略上それなりに起こりうる。
ただし「五光」は小野道風なしには成立しない(当たり前)ため一応重要な札といえる。
また他の光札にない唯一性として、たん札(柳にたん)とたね札(柳に燕)両方を取れる可能性を含んでいる札でもある。
なお一緒に描かれている動物は蛙で、小野道風が自身の才能(書道)に自信が持てず庭(?)を歩いている時に、地面から柳に飛び移ろうとする蛙を「飛べるわけない」と見ていたら、風が吹いた拍子に柳が揺れ地面に近づき、そのスキを見て飛び移ったのを見て「自分もまだまだ努力が足りない。もっと頑張ろう」と決意した…とされる感動的な一幕とされている(内容めっちゃ要約)。しかし花札ゲーム上ではそのような感動的シーンは評価の対象外となっている模様。
たね札(9枚)
「たね(1文)」が狙える以上の優位性をどれだけ持っているかで優劣を決めている。
第1位:菊に盃
札の価値:10/10
下位に対する優位性:
- あと1枚で「花見で一杯」「月見で一杯」が完成する
- あと2枚で「のみ(10文→20文)」にもなる
⇒2枚で5文の一杯系役が強力すぎる。他のたね札を差し置いて余裕の1位。
第2位(3枚):芒に雁(8月)、牡丹に蝶(6月)、紅葉に鹿(10月)
札の価値:8/10
下位に対する優位性:
- 「三光」、「月見で一杯」が狙える「芒に月(光札)」が取れる(芒)
- 「猪鹿蝶」の構成札でかつ「青短」の構成札を取ることができる(牡丹、紅葉)
⇒芒と牡丹・紅葉の価値の差を測るのは難しく、感覚的には「芒に月(光札)」が取れる芒のほうがやや上のような気がするが、自身が猪鹿蝶の構成札+青短札が同月にあるという点でギリギリ同点とした。
札そのものの価値(強さ)は、芒より牡丹・紅葉のほうが上であることは歴然。
第3位:萩に猪(7月)
札の価値:7.5/10
下位に対する優位性:
- 「猪鹿蝶」の構成札である
⇒2位(牡丹・紅葉)とは微差。札そのものは牡丹、紅葉と同等の評価だが、青短が狙える札が同月にある牡丹・紅葉に対し萩はただのたん札という点で差をつけた。
第4位:梅にうぐいす(2月)、柳に燕(11月)
札の価値:6.5/10
下位に対する優位性:
- 下位に対する優位性:「赤短」の構成札である「梅にたん」が取れる(梅)
- たん札以外に光札やたね札を取ることができる(柳)
⇒柳は光札と言っても三光の構成外の光札のため、それほど価値は高くない。厳密には梅のほうが価値はやや高い気はする。
第5位:藤にホトトギス(4月)、菖蒲に八橋(5月)
⇒この2枚は「たね」の構成札でしかなく、優位性はない。山に捨てる札に困った時に捨てる札筆頭である。
たん札(10枚)
第1位:桜(3月)、菊(9月)
札の価値:9/10
下位に対する優位性:
- 「三光」「花見で一杯」が狙える「桜に幕」を取ることができ、自身が「赤短」の構成札でもある(桜)
- 「花見で一杯」「月見で一杯」が狙える「菊に盃」を取ることができ、自身が「青短」の構成札でもある(菊)
⇒両者甲乙つけがたい重要度のため、1位タイとした。
第2位:松(1月)
札の価値:8.5/10
下位に対する優位性:
- 「三光」が狙える「松に鶴(光札)」を取ることができ、自身が「赤短(6文)」の構成札である
第3位:牡丹(6月)、紅葉(10月)
札の価値:8/10
下位に対する優位性:
- 「猪鹿蝶(6文)」が狙えるたね札をそれぞれ取ることができ、自身が「青短(6文)」の構成札でもある
⇒同じの青短札の「菊に青短」と比べると、たね札が取れた際の副次的メリット(猪鹿蝶の狙いやすさ)が一杯系とくらべて劣るため3位とした。2位の松に対しては微差(総合的な期待値は三光>猪鹿蝶と考えられる)。
第4位:梅(2月)
札の価値:7.5/10
下位に対する優位性:
- 自身が「赤短」の構成札である
第5位:萩(7月)
札の価値:7/10
下位に対する優位性:
- 「猪鹿蝶」が狙える「萩に猪」を取ることができる
第6位:柳(11月)
札の価値:6.5/10
下位に対する優位性:
- 「雨四光」が狙える「柳に小野道風」を取ることができる
⇒雨四光(五光)がややレア役なため、あまり優位性は高くない。
第7位:藤(4月)、菖蒲(5月)
⇒たん札の中では優位性は低い。他の同月札もそうだが、何か山に捨てないと行けない時に捨てる季節札筆頭となる。
かす札(24枚)
第1位(2種):桜(3月)、菊(9月)
札の価値:6.0/10
下位に対する優位性:
- 「三光」「花見で一杯」が狙える「桜に幕」を取ることができ、また「赤短」を狙える「桜に赤短」を取ることもできる(桜)
- 「花見で一杯」「月見で一杯」が狙える「菊に盃」を取ることができ、また「青短」を狙える「菊に青短」を取ることもできる(菊)
第2位:芒(8月)
札の価値:5.9/10
下位に対する優位性:
- 「三光」「月見で一杯」が狙える「芒に月(光札)」を取ることができる
⇒赤短のオプションもある桜との差。
第3位:松(1月)
札の価値:5.5/10
下位に対する優位性:
- 「三光」が狙える「松に鶴」を取ることができ、また「赤短」を狙える「松に赤短」を取ることもできる
第4位(2種):牡丹(6月)、紅葉(10月)
札の価値:5/10
下位に対する優位性:
- 「猪鹿蝶」が狙えるたね札か、「青短」を狙えるたん札を取ることができる
⇒3位の松とそれほど価値は変わらないが、「三光か赤短」と「猪鹿蝶か青短」なら前者のほうが価値が高いと考える
第5位(3種):梅(2月)、萩(7月)、桐(12月)
札の価値:4.5/10
下位に対する優位性:
- たね札に加え、「赤短」が狙える「梅に赤短」を取ることができる(梅)
- たん札に加え「猪鹿蝶」が狙える「萩に猪」を取ることができる(萩)
- 「三光(5文)」が狙える「桐に鳳凰(光札)」を取ることができる(桐)
⇒三者三様の優位性があるこの3枚のかす札を、ほぼ同等くらいの価値とした。
第6位:柳(11月)
札の価値:4/10
下位に対する優位性:
- たね札・たん札だけでなく、光札(柳に小野道風)を取ることができる
⇒あいにく小野道風が三光の構成対象外のためこの位置になった。
第7位(2種):藤(4月)、菖蒲(5月)
⇒山から札が取れない時に捨てる札筆頭。
あえて不遇の季節札を作ることでゲームをプレイしやすくしたのだろうかというくらい藤と菖蒲はまさかの時のトラッシュカード的存在としての地位を確立している。