11月30日に明石市立市民会館で行われた「スミセイ ライフフォーラム 『生きる』 スポーツと脳」の招待券が当たったので、参加してきました。
とてもいい時間を過ごせたので、もう2日経ってしまいましたが内容と裏ネタをかいつまんでレポートします。
具体的な内容は前半に書いてますので、後半は読み飛ばしていただいて構いません^^;
全講演内容
※ポスター
講演と対談の三本立てでした。
- 正式名称
- スミセイ ライフフォーラム 生きる スポーツと脳
- 開催日時
- 2018年11月30日(金) 18:30~20:00
- 開催場所
- 明石市立市民会館 大ホール
- 第1部 講演 18:30~19:00
- 脳科学者 茂木 健一郎 氏 「脳の不思議」
- 第2部 講演 19:00~19:30
- 北京五輪メダリスト 朝原 宣治 氏 「運動のすすめ」
- 第3部 対談 19:30~20:00
- 茂木 健一郎 氏 × 朝原 宣治 氏 「スポーツと脳」
詳細は↓のサイトでご覧になれます。
講演概要
- 脳科学的見地からみたスポーツの良さと幸福に対する考え方(茂木さん)
- 先日出場して優勝した世界マスターズ陸上400mリレーの裏話的内容とストレッチの紹介(朝原さん)
- 「どうやって限界を突破してきたか?」というような茂木さんの質問に朝原さんが答えるような形+α(対談)
の三本立てでした。
なお、「先日出場して優勝した世界マスターズ陸上400mリレー」は↓の動画でご覧になれます:
1.5時間の内容でしたが、長いと感じることなくあっという間に過ぎて終わりました。
講演よりも開演(17:30過ぎ)から講演開始まで待った約60分のほうが長く感じるくらいでした。^^;
メモったことと、それの補足
1時間の講演の中で気になる内容があったらメモしようと、A4サイズの用箋挟を持っていったのですが、メモった内容は5行だけでした^^;
そのメモの内容をそのままごっそり書くと……
安全キチ
個性は長所と短所が表裏一体
限界を設定しない、設定したらそこで終わり(固定観念)
→もっと高いレベルの人と対戦する
さて、改めて見直して「……ん?」という感じですが^^;
これでは誰にも何も伝わらないので、内容を思い出しつつ帰宅してから調べた内容と合わせて説明します。
ドーパミン
司会者のアナウンスに合わせて、講演台に向かってダッシュで現れた茂木さんの一番最初の脳科学的なネタが、「ドーパミンを出そう」でした。
最後も「ドーパミンをどんどん出そうね」みたいなことをおっしゃりながら舞台の袖へ駆けていったのですが、
がよく分からないまま終わってしまいました(笑)
なので調べました。
「ドーパミン」とは
ドーパミンは脳内に自然に分泌される成分の一種で、アドレナリンの元となるものと聞けばなんとなく分かる人も多いかと思いますが、早い話がモチベーションや感情に関わってくる脳内物質です。
あまり過剰に出過ぎると統合失調症などの問題を引き起こすと言われ、それはそれで問題なのですが(だから「脳内麻薬」とも呼ばれる)、日常生活で得られるドーパミンは基本足りないみたいな感じなので出しましょう、ということのようです。
そして、ドーパミンが分泌される要因の1つがスポーツ(運動)ということで、あっテーマにつながってるわということにさっき気づきました。^^;
文献を漁った限り、ドーパミンは、とりあえず自分の決めたことをやりきったり(≒チャレンジする)、キツいと感じたときに分泌されるようです。
なので、茂木さんが言いたかったのは歳とか気にせず走ろうぜ!みたいな感じでしょうか(いわゆる「ランナーズハイ」がまさに分泌による影響。なお、ランナーズ・ハイはβ・エンドルフィンが要因)。
ドーパミンは他にも決めたことをやりきったときにも得られるということなので、最近流行りのゲーミフィケーションに代表されるような、なんでも遊び感覚を取り入れつつ物事に携わっていくのがコツのようです。
……そういえば去年読んだ本にもそんなのあったナ……
安全キチ(安全基地)
講演中に音で聞いたとき、「キチ」の漢字がどうか分からなかったので、とりあえずカタカナでメモしていたのですが、「安全基地」が正解のようです。
既知かと思ってたのでカタカナで書いたのは正解だったようです。^^;
「安全基地を子供に作ってあげましょうね」という感じで話していたのですが、結局安全基地とやらがなにかよく分からないまま終わったので調べました。
安全基地とは、子育てにおける考え方で、目には見えないものの子供は親に対して「ここまで離れられる」という領域(感覚)があるという概念のことです。
子供は親から(物理的に)離れても、安全基地の端まで行くと「これ以上はダメだ」と感じて親の元へ戻ってくるものだそうです。
定義としては上記のような内容ですが、茂木さんが話した「安全基地を作ってあげる」ということは、
という意味が含まれています(講演を聞いた限り)。
そういう子育て論が科学的にも有効であるということが、脳科学やその他関連学問で立証されてるということですね。
まあ独身者の私には関係のない話ですが^^;
フォーラムの出席者は概ね大人でだいたい既婚者なので、こういう話をされているものと思われます(中学生や高校生もいましたが)。
個性は長所と短所が表裏一体
一見短所に見える個性も、裏返すとそれは長所なんだよという話です。
茂木さんはわりと何度もこの言葉を話されていました。
これは就職の面接の時に「自分の短所をいかに長所と見せるか」というノウハウで学んだ方も多いのでは?と思います^^;
個性を悪く言われ続けて自分のことが嫌いになっている方は、「それは長所でもある!」ということを腹落ちできれば、自分のことが嫌いになる負の連鎖から断ち切れて幸せになれるかもしれません。
個性と規律
よく「個性を尊重しすぎると規律やルールが損なわれる」といった意見を聞くような気がします。
個性と規律はそもそも別次元の問題であって、個性を尊重したら規律が失われるのだとしたら、それは個性の問題ではなくモラルとかの問題のような気がします。
個性はその人のアイデンティティであり、強みです。
強みを否定された子供は、何かをやろうという気を失くしてしまい、結果的に成長を妨げられる……というようなことを子育て論の中の論理で話されていました(そして安全基地へ)。
保育園がみんなと同じことをさせる方針だったら、彼は将棋界にいなかったかもしれません。
限界を設定しない、設定したらそこで終わり(固定観念)
これも一見精神論に近いように聞こえる話ですが、人は限界を決めるとそれ以上に中々ポテンシャルを上げられなくなる、ということは科学的にも根拠があるようです。
分かっていても「まぁ、これが自分の実力の限界だよね」と思ってしまうのが世の常です。
「(固定観念)」は、僕が勝手に「あぁ、要するに観念を植え付けてしまうのがマイナスってことか」と思って勝手に付けたもので、実際それが固定観念と関係があるかはわかりません^^;
→もっと高いレベルの人と対戦する
海外に行くと、もっと高いレベルの人がうじゃうじゃいた……勝とうと思うと目標ができて、それを一つずつ達成していくことがモチベーションにつながった。
これは、茂木さんの「モチベーションを保ち続けられた秘訣」みたいなことを質問した時の、朝原さんの答えです(だいたいこんな感じだったという程度の確度)。
やはり、成長するためには自分より上のレベルの人と対戦し続ける(対峙し続ける)ことが大事なんだなということを感じさせられた一幕でした。
そういう逃げ出したくなるような場面で歯を食いしばって、相手に勝つんだという気持ちを全面に出すことがモチベーションの継続に繋がるんだろうなと思います。
そして上達してドーパミンが分泌されて、また上に挑んで……の繰り返しが日常化することで、人が到達できなかったような高みにまで登ることができるんだろうなと思いました。
他の内容+余談
最後の対談終了後の壇上。講演中は撮影禁止だったため、終わってから撮影しました。
メモ以外で印象に残っている内容と、どうでもいい余談的エピソードをこっそり紹介します。
愚痴る茂木氏
新幹線で当日入りした茂木さん、「この後実は日帰りなんです、ここにいるスミセイの関係者はこのあと宴会があるそうですよ」と恨み節でした^^;
コレで帰ったかな……?
はっちゃける茂木氏
僕にとって茂木さんは「プロフェッショナル 仕事の流儀」の人なので、もうちょっとカッチリした内容の話をするんだろうと思いましたが、壇上を歩き回りながら楽しそうに語る自称「くまモン」という雰囲気に驚かされました。
自身で自分のことを「落ち着きがない」とおっしゃってましたが、まさにその通りでした。
ネットで毒を吐くことが多く敵も多そうな印象が最近ありますが、割と腹を割って話したらみんな仲良くなれるんじゃないかなと思いました(例えばダウンタウンの松本氏)。
スポーツの意味合いについて
対談中に、日本は「スポーツ」に対する敷居が高すぎる、ドイツのように地域総合型のスポーツクラブのような形でもっと手軽にスポーツができる環境が整えられたら……というようなことを話されていました。
いまだに「スポーツ」を体を動かす運動でしかないと言って憚らない人の多い日本では、スポーツ=ガチ or 真剣勝負という意味合いを強く持ちすぎていると思います。
スポーツの意味は他にも「楽しむ」という意味合いもあるのですが(「競う」という意味もある)、日本では楽しむなんて意図をスポーツから見出している人は果たしてどれくらいいるでしょうか?
美しすぎる朝原氏
公演中の朝原さんの立ち姿の美しさにただ羨ましさというか、尊敬を持ちました。
アレは普段から姿勢を意識してないとできないだろうなぁと思いました。
美しい姿勢が短距離のフォーム(力の伝達)に影響するというような話もされていて、茂木さんから急遽壇上に上げさせられた中学生2人にとっても忘れられない1日になったんじゃないかなと思います。
速すぎる中学生
その急遽壇上に「ほら上がれよ」と茂木さんに言われて上げさせられた中学生2人(中3)はどちらも陸上部所属でした。
そしてそのうちの一人がなんと100mの自己ベストが10秒台というのです。
どうなってんだよ今の中学生^^; ちなみに中学時の僕のベストタイムは13秒0です(砂の上をスパイクで)。
相手にならん(笑)
しかも驚きなのは「楽しいからやってる、今後も楽しくやれたらいいです」という感じで、ガチガチにトレーニングしている雰囲気をもってなかったところ。
今どきといえば今どきっぽいですが、それでも10秒台を中学生が出せるなんて驚きですねぇ……
今後の彼の活躍に期待です(たぶん明石市民か神戸市民だろうから、活躍したらきっと分かるだろう……)。
僕は中学の時150か155cmが自己べなので、どうせ彼は180cmくらいは跳んでると思います(笑)
オリンピックメダリストの愛車
講演に出席した人で車で来た人は、だいたい明石市役所の駐車場に停めていたようです。
自分自身もそうだったので、帰りは精算機に長蛇の列ができて20分ほど待たされました。
で、待ってる時に自分の前の車がなんか高級そうだったのでガン見していたら、どうもマセラティのSUVだってことが分かりました。
マセラティにSUVなんてないという固定観念を持っていたので、ポルシェだと勝手に思ってましたがマセラティでした^^;
「マセラティってSUV出してたのかよ」っていうだけでも個人的には結構の驚きかつ発見だったのですが、問題はそのあとです。
精算機の前に停まったSUVから一向にドライバーが出てこないと思ってたら、左側からドライバーが出てきて、軽やかな足取りで精算機に向かっているのを目にしました。
「マセラティのSUVで、しかも左ハンか~、すごいブルジョアやな」と思ったその時……
精算機に駐車券を入れているその人が、どこからどう見てもまさにさっき壇上に上がっていた朝原さんだったという…(笑)
天下の大阪ガスといえど、マセラティの左ハンを愛車にできるなんて、幹部クラスでもなかなかキツいと察します(そうでもないのかな?)。
オリンピックでメダル取ったらすごくいい車乗れるんだなぁ……と感じた一幕でした。
マセラティのSUV
講演会のあとラーメン屋に行って、早速スマホで調べました。
Levanteのリアからクォーターパネル、サイドドアパネルの流れ
そうそう、まさにコレ!このテールランプでした。
MaseratiのLevante(レヴァンテ)というようです。
暗かったのでどの型式までかは把握できなかったのですが、全貌を見るとカッコいいですね~
なお、お値段は1,020万円からとなっております。いいお値段だ^^;
なんか↑の色に見えたんだけどなぁ……だとしたら1,800万らしいけど(苦笑)。公式サイトのディーゼル(1,020万円~)の色にも近かったからどっちかかなと思う(カラーでバリエーションが確定するならの話)。
幸福について
「自分のこと、好きですか?」
と聞かれておそらくYESと即答できる日本人は少ないかもしれません。
「なぜNoなのか」と問われると、〇〇ができないとか、◯◯を持ってないとか、幸せでないとか、ないない尽くしの回答になるかと思います。
結局大半の人は、自分に対する評価を他人を見て行っている……いわゆる相対的な評価でもって自分を測っています。
そのせいで自分より出来のいい人、自分より稼いでる人、自分より背の高い人を見るたびに自己嫌悪に陥り、結果不幸だと感じます。
幸せになるには等身大の自分を愛すること……つまり絶対的な評価で自分を測ることが大事、というような話をされていました。
もうこの話はピーンときましたね^^;
脳科学や心理学を少しでもかじるとかなりの確率で遭遇する「絶対的幸福」や「自己肯定感」といったワードにまつわる話です。
それを、自分にとっては少し違う切り口で茂木さんから話を聞けて、少し理解度が深まったというか、確信が持てたような気がしました。
さいごに
夕食に食べたラーメン。食べたあと泳いでから帰りました。
さて、レポートという名の駄文になってしまいましたが、とにかく勉強になりました。
次また機会があったら参加したいな~と思いました。
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※内容的に関連があるということで……
ドーパミンってどうだすの?